研修の中で、販売スタッフさんが話してくれるブランド説明は、ちょっとずつ違和感があることが多いです。
そして商品の説明を求めても、ECサイトやパンフレットに書いてあることの域を出ない気がするモヤモヤ感。
講師の私でなくても、おそらく化粧品をきちんと使ってきた大人なら説明を受けなくてもたぶんわかりきっているレベルかも。
販売スタッフの勉強不足なのか?
長年疑問に思っていましたが、あるきっかけで謎が解けました。
ある日、とある企業様からご連絡を受けました。
見せていただいた資料には、情報がたくさん書かれていました。
ここまで書き込むには、時間もかかったでしょう。文字を書くだけでも大変ですし、まとめるのも大変です。
頭を悩ませながら、お仕事されていた様子が目に浮かびます。
そのことに気がつくことにできたのは、私の職種経験が大きかったように思います。
私は、美容研修講師の仕事の他にも化粧品の販売促進や広告作成に関わる仕事をしています。
同じ化粧品というジャンルですが大きな違いがあります。
前者は販売員という情報発信者への知識向上が目的ですし、後者は消費者への情報発信であり言わば購入動機になる情報の提供です。
これは、発信内容に違いがあるべきですし、違いのおかげで私は自分の仕事に相乗効果を持たせています。
その資料から感じる違和感の正体は発信内容の混在だったのです。
書かれている内容はまるで、お客様用のパンフレットのようでした。そう、お客様へ向けて発信したい内容だったのです。
これでは、販売するスタッフはお客様と同じ知識になってしまいます。
販売する側がほしい情報は、お客様が疑問に思うであろうことを答えるために必要な情報です。
もちろん、見せていただいた資料にその情報の記載が無かったかというとそうではありません。
お客様へ説明するような言い回しの中に、難しい情報を織り込んでいたのです。
これでは、販売スタッフも混乱してしまい何が自分が言うべき情報なのかわからなくなってしまい、かろうじて記憶に残った箇所だけを説明するようになります。
★販売スタッフがお客様の疑問にお答えできる知識の内容になっているのか
★質問に答える時に、その資料に書かれている内容でお客様に伝わるのか
そして
特に伝えてほしいことは何なのか?
加えて、どうしてその商品が生み出され、どういう理由からその商品の内容になったのかがわかるとすんなり頭に入りやすいです。
商品開発の想いやその商品にした理由など必ずあると思いますので、背景も伝わると販売スタッフの理解度もあがりますね。
情報を共有する際は、あれもこれも盛り込みたくなる気持ちはわかりますが
受け手がその情報を使うシーンを想い描きながら作ると、すっきりしたわかりやすい資料になりそうです。
発信する資料の構成で、理解度が変わるお話でした。